避雷針工事

落雷による甚大な被害を防ぐため避雷針設置、点検を行っております

建物や設備を雷から守るための避雷針工事を提供します。

落雷の怖さは、建築物のほとんどの材質(コンクリート、鉄鋼、石、木など)に損傷を与えることです。落雷により大電流が流れると高温になり、特に水に濡れていると高温になりやすく、火事の原因となったり、水蒸気爆発を起こしたり、建物の強度を弱くしたりします。

近年の異常気象で落雷が増加傾向であり、高い建物や、寺社、ガスプラントなど、さまざまな建築物が落雷の脅威にさらされています。

避雷針とは、高い建物や、寺社、ガスプラントなどの上部に取り付ける受雷部のことを指します。避雷針のみでは雷対策が行われていることにはならず、建物全体で、受雷部(突針・避雷針)、水平導体、メッシュ導体の各要素またはその組合せによって構成しています。これを 「雷保護システム」と呼びます。

外部雷保護システム

避雷針は先端を尖らせた棒状の導体であり、保護するべき建築物の先端部分に設置します。避雷針本体から銅線などで地面まで引き下げ、保安器を設置し、地中に埋設した銅板などに接続します。

これにより雷が直撃した時に地面に大電流が放電されることになります。

アレスター(避雷器)

避雷針は、建物や塔などの比較的高い建造物に取り付けられ、直撃雷からその建造物の破損や火災、爆発等の発生を防止すると共に、内部の人や動物に危害を及ぼさないようにするものです。

しかし、直撃雷に付随して発生する誘導雷サージに対しては、避雷針は効果なく、誘導雷サージによる建物内または周辺の電気設備、特に電子機器の誤動作・故障発生に対しては、「アレスター」という避雷器が必要です。アレスターは、雷やスイッチの開閉によって発生した瞬間的な過渡的過電圧(サージ)を制限して、機器や設備を保護します。

セイクンでは、避雷針だけでなく、アレスター等避雷設備の販売や、工事、点検をトータルに行っています。避雷設備に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なスタッフがご対応さえていただきます。

保護レベルの選定

保護レベルは、雷保護システムが、雷の影響から被保護物を保護する確率を表しています。雷放電に対する雷保護システムの保護効率は、施設状態によって確率的に考える必要があります。

保護レベルⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階を設定し、これらに対応する雷保護システムを構築します。

保護レベル・保護効率

例えばレベルIでは200KAから2.9KAまでの電撃電流に対応可能なもので200KA以上及び2.9KA以下の雷電流がそれぞれ1%の発生確率であるため捕捉可能な範囲である200KAから2.9KAまでの雷電流の発生確率は98%となる。これを(雷保護システム「LPS」)の保護効率としています。

保護レベル
I~II

・美術館、文化遺跡
・通信基地、発電所、火災の危険のある商業施設
・製油所、給油所、花火工場、軍需工場
・化学プラント、原子力プラント、生物化学研究所及びプラント

保護レベル
I~III

・劇場、学校、百貨店、スポーツ競技施設
・銀行、保険会社、商社等(コンピュータの故障及びデータの喪失するから)
・病院、老人ホーム、刑務所

保護レベル
III~IV

・住宅、農場
・運動場、テント、キャンプ場、臨時施設
・建設中の建築物、高層建築物(60m超)

保護範囲について

実際の保護範囲は、雷撃の侵入してくる方向と、雷電流の大きさにより異なるため一概には言えません。日本工業規格では、保護レベルに応じて回転球体法、保護角法およびメッシュ法で避雷針の配置を定めています。

回転球体法による避雷針の保護範囲

回転球体法とは:
雷撃距離を半径とした球体を2つ以上の受雷部(大地含む)に同時に接するように回転させたときに、球体表面の包絡面から被保護物側を保護範囲とする方法。

保護角法による避雷針の保護範囲

保護角法とは:
避雷針上端から、その上端の鉛直線に対して保護角で定める稜線の内側を保護範囲とする方法。

避雷針工事について

プラント設備工事、工場設備工事の業務を多数行っています。
特に、プラントなどへの法律に基づいた防爆電気工事には経験と実績があります。

ガスプラントの施工実績

球体方式である

寺院の施工実績

接地抵抗は10Ω以下との客先指定に基づき施工

避雷針設置工事の流れ

  1. お問い合わせ
  2. 現地調査
  3. お見積提出・ご説明
  4. 施工・立ち会い
  5. 点検(初年度のみ)
  6. 報告書作成

お問い合わせ、お見積もり依頼を承っております。お気軽にお問い合わせください。
写真や建物の大きさ等で概算のお見積もりをお出しすることもできます。

避雷針の点検ポイント

細かく分けると20~30の点検項目があります。大きなポイントとしては以下の通りです。

  • 突針の設置状況と外観の異常など
  • 避雷針ポールおよび支線のさび、腐食等の外観チェック
  • 取り付け台の外観チェック
  • 配線のチェック
  • 接続部チェック
  • 接地抵抗の値のチェック

構造体利用構成部材

建築物等の次の部分は構造体利用、受雷部構造部材であるとみることができる次の非保護物を覆う金属板

  • ● 各部分の接続は電気的に確実である
  • ● 金属板が雷電流によって穴があいてはならないもの又は高温にさらされてはならないものはtの値以上
  • ● 金属板が穴があいても差し支えない構造のもの又は金属版の下部に着火する可燃物がない場合はt’の値以上である
  • ● 絶縁材料で被覆されていない
  • ● 金属板が穴があいても差し支えない構造のもの又は金属版の下部に着火する可燃物がない場合はt’の値以上である
  • ● 厚板構造の金属製部分(トラスなど)
  • ● とい、レールなど金属製部分で断面積が値以上のもの
  • ● 厚さが2.5m以上の材料で作られた金属製及び槽で穴が開いても危険でないもの

避雷針の法規

避雷針の法規は、以下のように定められています。

  • ※ 高さ20mをこえる建築物には、有効な避雷設備を設けなければならない。ただし周囲の状況によって安全上支障がない場合においてはこの限りでない。
  • ※ 避雷設備は建築物の高さ20mをこえる部分を雷撃から保護するように設けなければならない
  • ※ 避雷設備の構造は、雷撃によって生ずる電流を建築物に被害を及ぼすことなく安全に地中に流すことができるものとして国土交通大臣が定めた構造のもの又は国土交通大臣の設定を受けたものであること。
  • ※ 避雷設備の雨水等により腐食のおそれのある部分にあっては腐食しにくい材料を用いるか又は有効な腐食防止のための措置を講じたものであること。

よくあるご質問

避雷針では対策にならないのですか?

建築物の落雷対策として避雷針は有効ですが、電気機器を雷から守りきれるわけではありません。

避雷設備(避雷針)を設置していても、被害が発生することがありますか?

避雷針に落雷した場合に、建物内にあるコンピュータや電話機などの電気機器が破壊されるといった被害が発生することがあります。

なぜ、避雷設備(避雷針)を設置しているにもかかわらず、被害が発生するのですか?

避雷針への落雷電流の一部が建物内にも侵入する場合があるため、雷の電流が大きい場合には、電気機器や電子機器が故障することがあります。

「直撃雷」「誘導雷サージ」とは何ですか?

直撃雷とは、雷雲から直接対象の建造物に雷放電(落雷)することです。
この時の放電電流は数十kA~数百kAと非常に大きく、時間的には数百μ秒~数m秒と短時間ですが、膨大なエネルギーを有しているため、落雷すると建物を破壊したり人を傷つけたりします。
また、落雷電流は非常に大きいため、その電流通過の際、周囲の金属部分には各種の誘導結合(電磁気的、静電的、抵抗結合等)によりサージ(過渡的過電圧)が発生します。
このサージを誘導雷サージといい、数kV~数十kVの電圧が発生します。
このような過電圧は、数十μ秒~数百μ秒と非常に短い時間ですが、電気機器にとっては非常に過酷な電圧で、機器を損傷させたり、誤動作させたりします。

避雷針の設置基準は、どこに決められていますか?

建築基準法や消防法等に避雷針の設置義務が規定されています。その設置基準は日本工業規格JIS A-4201(建築物等の雷保護)に定められています。

※JIS A-4201が2003年7月に改正されました。

※建築基準法33条「高さ20mを越える建築物には、有効な避雷設備を設けなければならない」

避雷針は、点検する必要がありますか?

避雷針は、よほど大きな雷撃でないかぎり、かなり長期間使用に耐えるものですが、経年による自然劣化(接続箇所の緩み、引下導線の断線等)に対して点検が必要です。

落雷が何度あっても、避雷針は使用可能ですか?

基本的には使用可能ですが、接地抵抗の検査をお勧めします。

予算と施工期間はどのくらいですか?

タイプ、大きさにより異なりますので、まずはお問い合わせください。

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